方言と表現。2016/07/17 01:14

 

 

「東京にいたときもそんなふうに方言で喋ってたの?」
 
 
同級生に聞かれることが多い伊東です。
 
18歳で東京に出たとき、岡山弁は封印しました。
「どこ出身?岡山?へえ、方言出ないんだね」
東京の友達に言われて、とても嬉しかった。
簡単に標準語にスイッチできる岡山弁。

 
でも、標準語を使っていて困ったことが...。
  
「ちょっと、これは無いんじゃないですか」
 
標準語だと相手の感情が読み取りにくい。
相手がどれくらい気分を害してるか、わかりにくい。
平板な発声だと、さらにわかりにくい。
 
むしろ、地方の集まりである東京だからこそ
あたりさわりないよう感情が伝わりにくく
わざとオブラートに包みながら喋ってる気もします。
 
 
 
岡山に帰ってきた日から方言ばりばり♪
 
最初は意識して方言を使っていましたが
今はもう、とっても自然に方言が出てきます。
岡山弁ネイティヴ♪
 
一般的に地元の人は方言を抑えようとしますが
僕はむしろ堂々と方言を使おうとします。
 
そのほうが、言葉に感情が乗る気がするから。
 
声の抑揚やメリハリは、方言がとっても似合います。
フランス語の「Bonjour!」にしても
抑揚ひとつで受け手の反応がずいぶん変わります。
 
僕は、歌うように気持ちを乗せて言葉を使いたい。
それには方言がとってもぴったりで
とっても自然な感じがするんです。
 
 
 
ところが。
 
なんと。 
 
悲しいことに。
 
 
  
「その岡山弁、ちょっと変じゃない?」
 
「今そんなふうに言うの、お年寄りだけよ」
 

30年の間に岡山も変わったらしく
方言自体も「進化」したみたい。
(というより「変化」や「衰退」が近いかも)
せっかく岡山に帰ってきて
堂々と岡山弁を使っても
 
「いやー、なんか伊東君の岡山弁、なつかしいわー」
 
言われてちょっとショック。
だって相手は同級生...同い年じゃん!
 
 
たしかに、僕が使ってる岡山弁は
今の岡山弁から見ると「古語」かもしれない…
 
「わざと言ようるじゃろ?」
 
幼なじみに言われたけど、そうじゃない。
僕が知ってる岡山弁は18歳で止まってる。
ただ、それだけ。
 
それが通じないなんて! 
 
 
一度は現状に合わせられないかと
いま使われている「岡山弁(現代語)」を
急いで練習したこともありました。
 
(この部分は標準語で言って、ここは方言を残して…)
 
ほんの数日で、挫折。
 
そんなややこしいこと、できません。
 
 
 
でもね。
僕の岡山弁も、悪いばかりじゃない。
 
農家の方や漁師の方とは、ほぼネイティヴ。
 
旅先の地方で岡山弁を使うことで、妙な親近感。
 
 
 
そしてようやく!
岡山市内の、それも中心部で

僕と同じ岡山弁(古語)を使う場所を発見!
 
 
ネイティヴに!
しかも若い女の子が!
とても自然に流暢に堂々と!!
 
 
もうね、
すごくすごーく、嬉しかった。
 
「今も普通に使われてるところがあったじゃん!」
 
岡山弁(古語だけど古語じゃない!)
感動のあまり、胸がじ〜んとしましたよ。
 
すごいなあ!
 
(いいなあ、ここ☆)
 
幸せ気分に浸ってました。
 
「病院の待合室」で。
 
 
 
...あ!もしかして
病院ってお年寄りが多いから
もしかしてわざと合わせてくれとるんかな…。
 
 
白衣の若いナースさんたちが
僕と同じ岡山弁(古語と認めたくない)
しゃべりょーるのみょーると
なんかもー
でえれえしあわせなんじゃけどのー。
 
 
そんなわけで、
僕はたぶんこれからも
ずっと自分の岡山弁を使い続けてー思ようる。
 

なんて言われよーが
  
(↑正確には「言わりょーが」)
(母音やyの連続は省略)re+yo →ryo
( i wa re yo ga → i wa ryô ga ) 

ex.)
知りたい a+i → e 知りてー
( shi ri ta i → shi ri tê )
 
岡山弁好きじゃけえ!

ぼかあけーからも使うわあ!
  

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