ご来場ありがとうございました。2016/12/26 21:54



ブログ更新する間もなく、あっという間に終わってしまいました。
 
 
あとがきにかえて。
 
伊東和則写真展『向かう』終わりました。高知県土佐市の会場に来て下さった皆様、気にして下さった皆様ありがとうございました。巡回予定はありませんが、機会があればなんらかの形でまた。
 
2週間の滞在で写真を撮って展示する企画。無謀と思ったけど、舞台だってインプロヴィゼーションがある。有意義な体験でした。
  
初めての街でもいつものように、歩いていて気になってしまう光景。地元の人にとって普通のなんでもない景色、それが目に留まってしまう。外から来た人間だから不思議に思ったり違和感を感じたりするんですね。
  
  
田畑を耕し海の幸や山の幸をいただく…自然の恵みを受けてこそ暮らしが成り立ちます。しかし時に川は氾濫し、海は荒れ、山は崩れる。自然を敬い尊び感謝しながら日々を生きる…それは農業や漁業に従事する人ばかりではないでしょう。
 
自然災害から命を守る。人命最優先。その通りだと思います。災害を避けるため、川の流れを変え護岸を固め、海にコンクリの塊を放り込み砂浜を固め、山を削って津波避難場所を作る。人命第一の結果、自然と暮らすために自然を壊し続けて景観や生態系が変わる。人命第一だから。わかる。わかるけど...なんだかモヤモヤ…
 

そのうち来ると言われている南海地震。来ればもろに影響を受けてしまうと思われる高知県。岡山とは感覚が全く違います。
 
防災工事は最優先、あちこち急ピッチ。テトラポッドが放り込まれた海に、さらに積み重ねられるように放り込まれます。湾を囲む集落の山は次々削られ、階段が付けられ、夜は光ります。その明かりはソーラーLED、太陽の力。
 
人間っていつからこんなに都合良く自然を取り扱うようになったんでしょう。どこまで許されるのでしょう。そしてもちろん人命は最優先。
 
 
 
 
タイトルの「向かう」は、「向き合う」であり「立ち向かう」であり、人と自然の関係を改めて問う...そんな想いをこめた展示でした。
 
それはどこにも書いてないし取材の方にも話していません。感じてくれたらいい、感じなければそれでもいいと思ったんです。「作者の想いを理解して納得して帰る」みたいな「正解がわかる」展示はつまらない。そもそも正解なんて無い。なにかを自分で感じてくれたらそれでじゅうぶんと思ったんです。
 
けどね。来ていただくためには、なにか琴線に引っかかるポイントが必要ですよね。記事にしにくかっただろうなあ…って思いました。「作品についてどこまで説明するのか」この文章だってそう。終わった作品に対して作者は語るべきだろうか。悩みましたが、今回はレジデンス作品なので少しふりかえってみました。
 
 
たった2週間でしたが土佐市の景色と向き合った気持ちは、とても一つにはまとまりません。いつかやりたかったインスタレーションは今回初めて。舞台美術を参考に空間を構成しました。どんどん作って行った結果、三つの展示が完成して、一人なのにグループ展みたいになってしまいました。
 
「え?これで完成なの?」途中のように見えるかもしれません。写真は撮った瞬間すぐ過去になってしまいます。撮っても撮っても「現在」は永遠につかまえられない。それは終わりが無い災害対策のようです。
 
 
 
 
今回の内容は自分ひとりじゃできませんでした。プロデューサーの斎藤君はじめ土佐市観光Styleの合田さん、花井さん、協力してくれたスタッフの西本君、川田君、ありがとうございました。皆さんのおかげです。
 
レイアウト選考用の膨大なミニチュア写真、デジタルコピー機を使った特大作品の製作...一人では間に合わないどころか完成しませんでした。
 
保育園のワークショップがうまくいったのもスタッフのおかげです。「写ルンです」を渡すとき、ひとりひとり名前を呼んで、名前が書いてあるカメラを渡す...うれしそうな園児の顔!事前にスタッフが用意してくれました。ほんとうにどうもありがとう。
 
それから早くに来て下さったホゲットさん、竹村さん、感想ありがとうございました。 
 
ホゲットさんの愛のあることばたち。
竹村さんは会場を360度撮影してくれました。
 
最後に。来て下さった皆さん!土佐や須崎や市内や遠くからも!ほんとうにありがとうございました。

 
 
 
最近、自分で考える前に検索に頼ったり、誰かに言われるままの人が増えた気がします。想像力や感じる力がどんどん衰えている...感じにくい世の中に、僕は向かっていきたいと思います。
 
12月25日 岡山にて