インプロは自ら孤立を望むのか。2016/10/05 18:12





「これはダンスです演劇です野外劇ですパフォーマンスです...」言い方イロエロあるけど、なぜかインプロだけは「インプロです」かならず言うんだよね。別の名前で呼んだらいけないんだろか。それがとっても不思議。
 
あ、ワークショップに参加側じゃなく、あくまでイッパンピーポー普通に見る側からの視点ね。
 
 
舞台表現、パフォーミングアーツなら普通に「面白いから見に来れば?」でいいんじゃない?...で、終わって「やー面白かったよー」って言われたら「でしょ?これインプロなんだー♪」
  
それでいいんじゃない?...って思うんだけどね。
 
 
なにかそれじゃだめなの?
観に行く前から「インプロ」って言っとかなきゃいけないの?
あるいは言っておきたいの?なぜ?
  
 
「これはインプロです」
「インプロ一度見ればいいのに」
 
なぜかそのスタンスを崩さない。
なぜ、その立ち位置に居続けるんだろう。
そこから動かないんだろう...。
 
インプロの人たちって、とっても不思議!言えば言うほど特別感を与えてることに気付いてるんだろうか。
 
 
 
僕は、マイムもマジックも舞踏も舞踊もこだわり持って無い。人形劇も無言劇も、ありとあらゆるステージパフォーマンスに対して自分はワクワクするし常に門戸は開いてる。
 
もちろんインプロにだって、そうだ。
...いや、そうだった。
 
 
だけどかんじんの、やる側?すすめる側?...よくわかんないけど、やってる人は、なぜかその立ち位置から一歩も動こうとしない。
 
「来れば面白いのに」 を繰り返すだけ。
 
わかりやすくとか来やすくしようとか、こちら側に寄ってくることをしない。そう感じてしまう。
 
 
だから、そういう姿勢を見ると逆に、
 
(見る側に特別な見方が必要なのかな) とか、
(アドリブだらけの舞台って話がどこに行くかわからない。面白く無いかもしれないから予防線を張ってるのかな)...なんて感じられてしまうんだよ。
 
...って書くとね。
 
「インプロとアドリブは違います!」
なんて見当外れの答が返ってきちゃったり。
 
 
あくまでも自分たちの立ち位置を変えない。「見たければ観に来ればいい」歩み寄ろうとか、初めての人に段差を無くしてあげようとかそういった考えが見えない。伝わってこない。
 
 
インプロの舞台を見に行きにくい特殊なモノ扱いしてるのは、まさに今、関わってる本人たちじゃないの?...って気付けばいいのに...それともわかってるけどそのままなのかな。
 
 
 
 
阿波踊りは見るより踊ったほうが楽しい。
それはわかる。
 
でも、見ていたい人だっているよね。
 
「踊ればいいのに〜」って言い続けられても、見ていたいんだから、それでいいじゃない?
あるいは阿波踊りじゃなくても「お祭り?楽しそうかも」で見ていてもいいんじゃない?
 
  
「やってる人」は、そのあたりごちゃ混ぜにする。

「インプロ見に来ればいいのにー」
「インプロやればいいのにー」
「見て面白いと思ったらやってみなくちゃ」
「やっぱりインプロの面白さは自分でやってみないとね」

見るのは過程で、その先に進まないといけない感じを与える。
それってまさに宗教に近い感じがしてしまう。
 
【「観るだけで自分はしません」って人は冷やかしです。そういう人はインプロ観に来ちゃだめ!
 
そんなムードを自分たちで作っちゃってる感じ。

なんだか、すごーくもったいない。
 
 
 
たとえば
「自分はインプロは全然やらない。インプロは見るばかり」
そんな人っているかな。
僕は今のところそういう人と出会ってない。
 
逆に言うと、
今インプロをやってる人orやったことある人だけが
『インプロいいよ〜』って言ってるように見える。
 
...なぜそうなる?
見るだけの人はなぜ現れない?
いたとしても、なぜ声が届かない?
 
  
今のままだと逆にどんどん偏見を持ってしまって「インプロだけは絶対見に行かない」みたいになってしまいそうで嫌だ。どんどん宗教化していくみたいな感じがして嫌だ。なぜ孤立化特殊化する方向に進むの?なによりインプロ自体かわいそう。
 
 
 
インプロってそんなに他ジャンルのステージパフォーマンスと全然違うの?観る前に「これはインプロです」って言っておかないといけないの?どんな理由で?

これって舞台表現者が参加するのはわかるけど、逆にそういう人以外は行ってもしかたない?お呼びでないわけ?
 
 
...そこが一番に不安に感じるし、不審に感じる部分。
 
 
 
30年いろんな舞台を偏見無く観てきた僕に、観に行く前からインプロだけは、見に行こうとも撮りに行きたいとも思えない...
 
そう思わせるような流れを作ってる自覚は「やってる側」にあるんだろうか。
 
 
食べものでも色仕掛けでもなんでもいいから、誰か僕にインプロに行きたくなるように、その気にさせてほしい。自分でその気になって見に行きたい。
 
 
「ほんとうにいいものだから」「いままでにない体験できるから」「人生かわるから」「一度やってみたらわかる」...みたいな、「そちら側」の言葉ばかりじゃなく。